商工会議所としての役割
著者:商工会議所 経営支援課長 今井 秀一(主任経営指導員)
地域の現状と課題~様々な創業スタイルへの対応~
現在、新湊地区では、経営者の高齢化、消費者のニーズの多様化、価格競争の激化、情報化が進展する中、
開業率と廃業率の逆転現象が起こり地域経済の停滞と活力低下が懸念されています。
このような状況を打破し、市内地域経済活性化や新たな雇用の創出を図る上で、
創業者支援を積極的に行う事が重要な課題となっております。
近年の創業傾向として、女性や若者(県外からの移住者)等、これまでの創業者とは異なる方々が
それぞれの人生のステージに合わせ、営利のみを目的とするのではなく、地域の課題解決、コミュニティの形成など
社会的使命感を動機づけとした小規模な創業が多くみられるようになりました。
商工会議所としても、従来の創業支援に加え、それぞれの創業スタイル、レベルに合わせたきめ細かい支援を
心掛けていくことが必要不可欠となっております。
今後の展望とは
今後どのような仕掛けで如何に創業予定者(潜在的な創業予備軍も含む)の発掘ができるか、
「創業」が自分に関係のない遠い世界ではなく、自分で選べる選択肢の一つとして考えて頂けるようにすることが
新たな創業者の増加へ向けての第一歩となるよう、地域の創業機運を高める活動を強化する必要があります。
実際に創業した方の情報や身近な創業の成功事例、実在の店舗などを紹介する事で創業をイメージしてもらい、
新たな一歩を踏み出すための支援の充実を図ることも必要です。
より一層の創業者に寄り添った支援、連携機関と適時情報交換による情報の深化、また各々の創業者支援スキルの
レベルアップを図って、当商工会議所が旗振り役となり、地域の特性に合った支援事業を実施しながら
切れ目のない継続した創業支援を実施し、地域に新たな雇用創出と地域経済に活力を生み出す創業者の増加を目指します。
最後に・・・
市・商工会議所・金融機関の連携支援機関が一体となって創業支援に取り組むことで
創業者の増加が見込めるだけでなく、移住創業を検討する方の人口増も期待できます。
また、女性、若者(移住者)の創業者が増加していることから、女性の活躍、若者による新ビジネスの創出や
創業支援としての新たな販路開拓、取引先紹介により既存企業の経営支援にもつながります。
加えて、空き店舗解消、地域の雇用や消費の拡大等、
創業支援が地域経済の潤滑油となり
様々な経済効果が期待できると確信しています。